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2023.08.30
お知らせ

【社外参謀’s File #03】平松佳一 「中小企業の底力を見せよう!」社外参謀として日本のものづくりの発展に貢献したい

中小企業と心をひとつに、外から支える「社外参謀」。JCFに所属する社外参謀たちの軌跡と中小企業への思いをお伝えする『社外参謀’s File』をお届けします。第三回目は、行政書士の資格を持つ経営コンサルタントの平松佳一。前職で培った現場でのモットーや、JCFで学んだ経営の型を活かしたアプローチなど、現在の仕事へのこだわりを聞きました。

 

大企業から行政書士・ファイナンシャルプランナーとして独立。人の悩みに触れて経営のコンサルが主軸に

大学を卒業し、松下電器(現パナソニック)に入社。人事の仕事を12年、その後、共済会という社内福祉制度を運営する子会社に社内公募制度で異動し、保険制度の運営やライフプランサポート業務、事業企画などに携わりました。

共済会にいた頃は時代の転換点で、松下電器も大きな構造改革をした直後。大企業のサラリーマンも真に自立しないといけないよね、と世間でも言われ始めていました。そんな背景があって、社員が自分の将来を自分で考えられるようバックアップするため、共済会ではライフプランニング支援の企画や立ち上げを行っていました。

その後、ライフプランニング支援をもっと世の中に広げていく必要性を感じ、独立を決意。在職中に1年間勉強し、行政書士の資格を取得して独立しました。行政書士事務所を開業してすぐの頃はコンサルティングの要素は小さく、中小事業者さんの許認可のサポートや個人のライフプランの相談などが主でした。その中で、建設業や運送業など、いろいろな企業との付き合いが増えるうちに「人の悩みというのはめっちゃあるんだな」と分かったんです。そして、これはビジネスになる、自分にしかできないことがある、と気づきました。そこからJCFで学ばせてもらったことを活かしながら、現在は中小企業のコンサルティング業がメインになっています。

 

■経営改善のアプローチのベースはJCFの「五つ星経営フロー」

JCFの社外参謀養成大学の入学を決めたのは、なんといっても「五つ星経営フロー」に強く共感したから。かねてから中小企業経営者には「経営企画室長」的な存在が必要だと考えていました。さらに「五つ星経営フロー」という経営の型と「社外参謀」という立ち位置が自分にマッチすると感じたんです。

また、会社の持続的成長を目指すための経営改善のアプローチ法を、体系立てて学ぶことができるところも、受講の後押しになりました。現在受け持っているお客様の仕事でも、ただ制度を作ったり運用したりするのではなく、根本的な問題を見極めて、社長が掲げる目標に向けた組織風土の改革をしています。規模が大きくなるほどどこに問題があるのか見えづらいので、社長さんと話しながら見つけていきます。特に「問題解決思考」「二軸思考」はとても役立っており、社外の人間ならではの視点で経営者に新たな着眼点を提示することができています。このような会社経営全体から見るアプローチは、JCFで学んだことがベースになっていますね。

卒業後も、志を同じくするメンバーと共に学び、協働しながら中小企業の経営に貢献し、また自分の成長にもつなげていくために、2つのJCF事業に参画しています。1つは組織風土診断プロジェクト。社員アンケートを元に、五つ星経営フローの観点から課題を浮き彫りにするメニューの開発に携わっています。もう1つは、年末からの五つ星経営アカデミーのファシリテート講座。開講に向けて準備を進めています。

実は、2023年2月に法人を設立しました。『株式会社H&Cコンサルティング』という社名の「H&C」は、「ヒューマンリソーシズ(人材)&キャッシュフロー」の頭文字以外に、「平松&カンパニー」という意味もあります。「平松とゆかいな仲間たち」です(笑)。そのゆかいな仲間たちの中には、士業や専門職のネットワークだけでなく、もちろんJCFの皆さんも入っています。JCFのメンバーも、クライアントさんを支援していくための大切な仲間です。

 

■現場を「見て」相手の持ち味を発見するために「聴く」

前職の仕事柄、今でも仕事では「現場・現物」にこだわっています。前職で、エアコンの事業部にいた時、大きな工場の人事を担当していました。例えば工場で不良が発生して、生産が遅れてしまうので休日に生産する、ということになると、労働組合と協議する必要があるんです。状況説明をするためには、具体的に問題を確認しないとわかりませんよね。だから事実を確かめるために現場を見ることを刷り込まれました。

それが今も染みついていて、コンサルとして受けたお客様の職場は、最初に見学させてもらいます。どういう仕事をしているかということをちゃんと理解できますし、場合によっては社員さんと話すこともあります。ある会社さんでは幹部社員全員と面談して、お悩みを聞いたり、会社にどう貢献していきたいかという話を聞いたりしました。それを社長さんにフィードバックして、社長さん自身の問題意識や課題、将来の展望も聞いていきます。社長さんと社員さんの意見をすり合わせて、どこに手を打って行くか考えていくんです。

現場を見るだけでなく、「聴く」ということも大事にしています。現状を知るために話してもらうのはもちろんですが、相手の持ち味を発見するためにも、相手の話をしっかり聴くようにしています。そこでは「できたこと」「よいところ」に注目するようにしています。なぜか私たちの世代は学生時代、学校や部活で「できないこと」ばかり指摘されてきたんじゃないかなと思うんです。ですので、思考がネガティブになりがちで、否定されることを恐れていいアイデアとか発想が生まれにくい状態になっています。そこを反転させるために、私はコンサルティングの場や自身が開発している研修では、できていないことや短所だけを見るのではなく、できたことをフィードバックするようにしています。私がこの観点を実践していきながら、社長さんや社員さんに伝えていきたいですね。

 

■「中小企業の底力を見せよう!」日本のものづくりを発展させたい

生産性や業績を上げてもらうために、コンサルティングや研修をしながら、社員さんがそれぞれの持ち味を発揮して成長する環境づくりをしっかり作っていきたいですね。社員さんも一日の多くの時間を仕事に充てているわけですから、そこで成長を感じてほしいと考えています。

可能性を活かしきれていない中小企業は、まだまだたくさんあると思っています。「底力を見せよう! まだまだできる!」と(笑)。残るべき会社は残らないといけない。でも後継者不足で廃業する会社は実際にあります。良い技術がある会社がなくなるのは、日本の損失と言っても過言ではないと思います。社長さんをサポートしながら、中小企業の底力を発揮させ、日本のものづくりをもっと発展させていきたいですね。

私個人の目標としては、いつか社外参謀養成大学の名誉教授的なポジションでコンサルタントの育成ができたらいいかな(笑)。そして、「日本のコンサルタント100人」の1人に選ばれるような良い仕事ができて、自分が関わった会社の社員さんが成長を受けて幸せな人生を送れるようになったらいいなと思っています。

 

<プロフィール>

平松 佳一(ひらまつ・けいいち)

株式会社H&Cコンサルティング 代表取締役。神戸商科大学(現:兵庫県立大学)卒業後、松下電器(現:パナソニック)に入社し、エアコン事業部をはじめ現場の第一線で人事労務に携わった後、社内公募制度での募集に応募して異動した共済会で社員8万人対象の共済制度運営や社員相談業務、新たなライフプラン支援施策の企画・立ち上げに携わる。21年間勤務ののち退職、2012年行政書士事務所開業。現在はコンサルティングに軸足を移し、経営者のパートナーとして、五つ星経営フローの観点から人と組織の可能性を引き出し会社の成長につなげるコンサルティングを行っている。趣味はバスケットボール。現在は観戦が主だが、40代半ばまで自身も試合に出るほどのバスケ好き。

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